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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第2章 遂行しづらい任務


鬼鮫はにやりとして立ち上がった。
「そろそろお茶の時間ですね。奢りますよ。昼酒でもいかがです?」
「あらら?初めて干柿さんから綺羅綺羅しいお言葉を聞いた気がしますよ」
「案の定お好きですか」
「はいすいません。大好きです」
「だと思いました。行きましょう」
「・・・や、流石に息の根を止めるを連発する人と飲酒は出来ません。会って間もないにも程がありますしね。お気持ちだけいただきます。お連れの方とどうぞ」
「彼は飲酒年齢に達してません」
「・・・苦労なさってるんですね・・・」
「・・・何で私の顔を見るんです」
「いやいや、他意はありません」
「私だって他意はありませんよ」
「昨夜あれだけ絡んでおいて、それは無理がありますよ」
「一晩寝れば治ると言った人がいましたが?」
「馬鹿な事言う人がいたもんですねえ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「胡桃と薄荷・・・」
「は?」
「珍しいものなんですがね・・・」
「?そういうお酒があるという話ですか?」
「あなたの煙草によく合うでしょうに。奇跡のマリアージュだったかも知れないのに残念ですねぇ・・・」
「ふ。そんなカマをかけたって駄目ですよ。奇跡のマリアージュってそんな、そうそう・・・胡桃と薄荷の・・・お酒ねぇ・・・」

「・・・昼酒・・・」
「強いですねえ。あのスカスカの体で、よくまあ、ああも呑めるものですよ」
「・・・鬼鮫」
「何です?」
「・・・よくわからないんだが、楽しかったように見えるな」
「さあ、そう言えなくもないかも知れませんねえ」
「一つ聞くが」
「二つでもいいですよ」
「・・・・・・・」
「・・・今笑いました?」
「いや、なら二つ聞く。聞くというより、確認か・・・。お前、あの人を嫌っているわけではなかったんだな」
「ええ、あり得ませんよ、それは」
「・・・もう一つ。任務を忘れてはいないな?」
「勿論。片時も忘れてはいませんよ。イタチさんこそ、お気を抜かずに」
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