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白龍皇子の従者は薙刀トリップ少女

第5章 迷宮・ザガン


それから皆で白龍さんお手製の食事を食べている時のこと……

「そう言えば、凄かったですよね、白龍さん」

突然、モルジアナさんがそんな事を言い出した。

「え?」
「海面に飛び込んだと思ったら、貴女を助け出して……」

そこまで言ってどう言う訳か頬を染めて黙り込んでしまう。
理由を聞こうと声を掛けようとして……アラジン君の言葉でその必要はなくなった。

「そうそう、お姉さんを助けたと思ったら体に空気を吹き込んで、それでー」
「!?」

空気を吹き込む、それはつまり……人工呼吸ということで。
私、白龍さんと? そこまで考えが至ると途端に恥ずかしくなって……。
料理を掻きこむように食べ終えると、その場から逃げ出すように席を立った。

――――

その後すぐに部屋に戻って、壁に持たれる。

「私、白龍さんに助けられただけじゃなくて……」

っ、こんなの駄目だ、あれはただの人工呼吸。他意があってのことじゃない。
それをこんな風に考えたって、迷惑なだけ。

だけど、それでもこんなに胸が苦しくて、鼓動が煩いくらいに鳴っているのはきっと。

「私……好き、なんだ」

白龍さんのことが。だからこんなにも動揺してる。
それが分かった事で、熱はどんどん上がっていって、船が港に着くまで一人でボーっとしていた。
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