【基山ヒロト】怖いです!嫌です!近くに来ないで!!
第8章 そんなことって...
「五、六年ぐらい前のことです。ヒロトが交通事故でなくなった。哀しみに飢えた私は、そっくりな親のいない基山ヒロトを引き取った。あまりにもそっくりだったから、ヒロトって名前をつけたのです。ヒロトは私の息子みたいでした。サッカーもうまく、学園を継ぐために勉強もしっかりしてくれました。もうあの子は私の本当の子供です。ですが。」
そこでお父さんは口を拒ませた。
「どうしたんですか?」
私は恐る恐る尋ねる。
なんだか、わかってしまった気がするから
「いま、貴女が知っている吉良ヒロトは存在しません。恐らくは、霊が基山ヒロトに乗り移っているのでしょう。ですから、本人は気がついていない。周りは気がついているんです。おそらくは吉良ヒロトのほうもそのことには気がついています。」
一体何が起こったんだろう
私の中でポツリと何がか消えた
「じゃ、吉良さんは....!!」
「架空の人物。みたいな物になるでしょう。私も悲しくて仕方ありません。」
どうしよう。
こんなの。こまるよ