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Dye D?〈番外編 横山〉

第7章 戯言





 それから、不思議な事に女は俺たちに料理を教えた

普通の料理ではなく

本格的な料理を毎日のように教えたのだ



丸山「なるほど、ここで火を弱めるといいんだね」



「そう、そうすると味は濃くなるから」



味の分からない俺たちに、根気よくコツを教えていく



横山「俺たちに料理は必要ないが....」


「まぁ、いいじゃない、

出来ると役に立つ事があるかもよ」


俺の言葉に、女は軽く交わしていく


「あっ、違う、そんな時は、

こんな風にお塩を少し加えて」


安田「ごめん、なんか俺、料理は苦手やなぁ」


「でも、手際は上手いと思うけど」


安田「ほんまか? めっちゃ嬉しいんやけど」



俺は少し離れてた所に移動すると

教わっている奴らを見ていた


渋谷「女、何を考えとるんやろな?」



すばるがフラフラとやってくるなり

笑いながら言った


横山「そうやな

俺らには良い暇つぶしやしになってるがな」


渋谷「暇つぶし?」


すばるは不思議そうな顔をした


渋谷「味覚のない俺らが料理して

暇つぶしちゃうやろ?」


言われてみたらそうだ


渋谷「横、どないしたんや?

いつものお前なら警戒したり考えたり

しとるんちゃうん?」


そう言うと軽く俺の胸を叩いた

俺はすばるの言葉に何故か驚いた

しかしそれを悟るませないとして


横山「俺は、俺やなんも変わらんよ」


俺がそう言った時だった



村上「横は、今は恋してるからな」


雛がそう言いながら俺らの間を抜けて

女の所に歩いて行った



渋谷「恋? お前が?」


すばるは雛の言葉に驚きながら俺を見た



横山「雛の戯言や.....」


俺は顔色を少しも変えずに答えた



渋谷「戯言ねぇ.....」


俺は真っ直ぐ女を見ていた


よく笑う女だった

一つ一つの事が楽しそうだった

そして周りの仲間もつられて笑っていた

彼女のおかげで

闇に生きる俺たちが楽しそうに過ごしていた




錦戸「反吐がでる」



突然俺の後ろから

亮が唾を吐きながら言った


俺とすばるは、亮の寝起きの悪さを知っていたから

ひと波乱あるなと覚悟をしていた





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