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奇跡 【ケロロ軍曹】

第6章 遠き想い出




そして現在…

語り終えるまでには、暗くなっていた…


恵土「だけど…

お前たちと触れ合っている内に…


何でかな…

両親と過ごしていた頃を思い出した…


無邪気に笑って、いたずらして…

そんな頃を思い出していた…


そして…

自然と、重ね合わしていた…


でも…

それを抱くまでは


また…

再び、失うんじゃないのかって…


そればっかりが、不安に駆られて…


また、裏切られるんじゃ…
また、傷付けられるんじゃ…
また、殺されかけるんじゃ…

そればかりが、頭によぎって…


到底、人を信じ切れるようにはなれなかった…


それでも…

夏美と冬樹と触れ合う内に…

自然と笑えるようになっていた


自然と、もっと一緒に

色々やって、過ごしたいって思えるようになっていた…


おかしいな…

もう、涙なんて枯れ果てたはずだったのに…


泣きそうで泣けない…


本当は、泣きたいのに…

あれから泣けない…


苦しくて、辛くて…

胸が張り裂けそうだったはずなのに…何も感じない…


胸の奥が、空っぽで…

消え入りそうにさえ感じる…


おかしいのかな?私…(苦笑」


そう、両膝を抱えながら

自嘲気味に苦笑する恵土…


それに対し…

ドロロ「そんなことはござらん!!

恵土殿は立派でござる!!


子供でありながら、大事なものを抱き!

それを実現し切るなど、普通ならば不可能でござる!!


感情にとらわれ、復讐するものがほとんど!!


それなのに…

恵土殿は、それを許し…


相手を想う心を忘れず…

本当に誰よりも立派で、優しく!

器の大きな人だと、拙者は思うでござるよ!!」


恵土「…」

それに驚いたような顔をする恵土


ドロロ「恵土殿!

拙者が保証するでござる!!


恵土殿は、とても寛大で優しき人!!

それを自分にも向けて下され!!」


その両手をとって握り

そう叫ぶドロロ…


その深層はいかに?

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