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奇跡 【ケロロ軍曹】

第23章 目覚め




ドロロ「恵土殿…

しかし、拙者は」
恵土「許せないのも解る」

ドロロ「!」


恵土「…それでも

私は、ドロロを否定なんかさせない。


もう既に、ドロロは行いを悔いている。

それなのに、それを責め続けることなんてさせない。


その苦しみを、ずっと味わい続けることなんてさせない!





一番、よく解っている苦しみだから…

五年間、ずっと闘い続けてきた苦しみだから!!」


ドロロ「…」

恵土「ドロロ…

これ以上、自分を許さないっていうんなら…


これからも、ずっと自分を責め続けて

失格だなんてほざくんなら…


私は…

お前を、殴り飛ばしてでも止めるぞ!!」


拳を握って構える中…

少しの静寂に包まれた…



キアラ「くーくー♪」

何で、そんな中(和室)で

花提灯を膨らませながら眠れるのだろうか;


満腹で、ご満喫&ご満悦みたいで

とってもいい笑顔で、キアラは寝てしまいました^^;



ドロロ「……ならば、恵土殿…」

恵土「?」


ドロロ「恵土殿も、自分を責めないで下され」
恵土「!」

ドロロ「ずっと、己を責め続け…

ずっと、己という心を殺し…必死に、耐え抜いてきた…


それは、凄く立派でござる…

人だけのせいにせず、自身の責任を見つめることも…


しかし、何事も過ぎれば毒となる…


恵土殿…

貴殿のそれは、毒にござる…


自分の心をむしばみ、傷付け続ける猛毒…


それを解読できるのは…

自分の心の持ち方次第でござる」


恵土「え?」

そう言いながら、恵土の横たわるベッドへ飛び乗るドロロ


首を傾げる恵土に、言った…


ドロロ「恵土殿、過去の自分を捨ててまで

生き永らえたかったでござるか?」


恵土「…」

その問いかけに、辛そうな顔をしてうつむく…


ドロロ「…過去の自分を、その心を…

なぜ、置き去りにしていってしまわれた?」


恵土「…そのままじゃ…

そのままじゃ…生きて、いけなかったから」


そんな中…

雲は広がり、太陽の光を遮る…


心の中の、暗雲を示すかのように…

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