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愛されたい症候群。

第8章 もう泣かないって決めたあの時の誓いは




財前にどこへ行きたいかと聞いたら
一番最初、出会った時に言った
カフェに行くことになった

あの時はビックリしたな
いきなり「ぜんざいのうまい店知らないか」
なんて聞かれたんだから

しかも私もたまたまそこへ行く
予定だったという偶然


もしかすると、財前と出会うのは
必然的だったんだろうか

…やめよ、柄にもないこと思うのは


「…で、なんや」

「あー、えっと…うん」


話そうと思ったはいいけど
何から言っていいのか

引かれたらどうしようと思う不安
いやもう、そうなったらそれはそれ


どう受け取るかなんて
人によって違うのは仕方ないし当たり前

他人が強制することは出来ない


だから、どう思われるかなんて
気にしたところで意味は無いんだ


「財前は中学の頃
氷帝に来たことあったんだよね」

「おう」

「そこで私を見かけたと」

「おう」

「どこで?…なんて覚えてないか」


何年前の話だよって


「部屋ん中…部室?みたいな」

「記憶力すご。
あー…洗濯でもしてたのかもね」

「認めんのか、おったこと」

「うん。
確かに私は氷帝の生徒で
テニス部のマネージャーをしてたよ」


1年間とちょっとだけ、と付け足す


「なんや中途半端やな」

「ほんとね。
でもそれ以上無理だったんだ」

「…もう聞かんほうがええやろ」

「でも気になるでしょ?」


財前の苦そうな顔を見ながら
私はずるい、と心から思う


誰にだって好奇心みたいなものはあって
こんな含みのある言い方をすれば
気になるのは当たり前で

そんな財前の気持ちを
私は自分の為に利用してる

…でも財前って他人に興味あるのか?


「霜月の事やしそりゃ気になるわ」

「へ?あ、うん。そっか」

「チッ。で?はよ話せ」

「なんで舌打ち!?
えーっとね、」


どこまで話したのか分からなくなったよ

あぁ思い出した


「簡単に言うとね、
嫌われちゃったんだよ皆に」

「あいつらにか」

「うん。最初はね。
ただ氷帝ってさ跡部先輩を筆頭に
テニス部が一番って風潮があるっていうか」


テニス部の敵は全員の敵

あの一体感を目の当たりにして
もっと早めに辞めてれば良かったと
何度思ったことか



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