• テキストサイズ

青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第6章 本当に彼でいいの?



私は体育館の入り口に立ち、今日の不調者は特になし。とノートに書き込み、練習の様子を細かく記録していた。

入り口付近に立っているのは、何かと逃げ出そうとする祥ちゃんへの対策だ(修ちゃん思案)。私と向かい側の入り口には、今日一軍担当のさっちゃんが立っている。


「あの、すみません。赤司君いますか?」


後ろに何の気配も感じないのに突然声が聞こえ、ふと振り向くと、いるかいないかもわからないような男の子がひとり立っていた。


「ひぃっ!だ、誰?!…あれ?あなた確か…」


見たことある。誰だっけ、誰だっけ…、

あ。黒子君だ、黒子テツヤ君!


「って、え?せ、征十郎?」


黒子君はコクリ、と頷いた。

えぇー、何々?何か新しい技でも身に付けてきました、てこと?

…嘘でしょ?

数か月前と何ら変化ないんですけど…まあ、いいや。


「征十郎ー!お客さんよ」


私が呼ぶと、こちらに気づいた征十郎はフッと笑った。


「…やあ、黒子君。待っていたよ」


よくわかんないけど、とりあえず黒子君を体育館に通した。

そして、私は練習様子の記録をするフリをして二人の会話に耳を傾けた。


「三か月ぶりだね。答えは出たかい?」

「はい」

「では…」

「あの…一つお願いがあるんですが」


…お願い?は?というより何の答え?


「可能ならば…試合形式で見てもらえないでしょうか」


はあぁぁあ?!


「わかった。聞いてみよう」


そう彼に言って征十郎は修ちゃんの元へ向かっていった。

ここからだと全く二人の会話は聞こえないが、修ちゃんが「まじで?」といった顔で黒子君を見ているのだけはわかった。


「華澄、俺らちょっくら二軍の練習見てくるから」

「あ、うん」


修ちゃんに少しの間頼むとでもいうかのように言い渡され、修ちゃん、征十郎、コーチ、そして黒子君が体育館を出ていった。

/ 458ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp