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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第17章 仕方ないわよね…



「だからとも言えるが、試合で勝ちが決まってからモチベーションの低下がしばしば目立つ。だが、監督も言っていたはずだ。どんな相手にも全力を尽くすのが礼儀だと」


あー、確かに。それは私も気になっていたわ。

試合後半になると大抵、皆スコアが落ちてくる。

最近大ちゃんは、特に…。


「よってノルマを課したい。と言っても簡単なものだ。相手によって変更もあるが、基本一試合一人20点とること」


征十郎がそう言った瞬間に、皆の顔つきが少し変わった。


「いーんじゃないッスか?楽しそうだし。ねー、青峰っち!」


…こいつは本当にこの意味を分かっているのだろうか。

モチベーションを上げるためにはいい方法かもしれないけど、これは少しまずいんじゃ…。


「あー…、なんか…面倒くせーな」


大ちゃんはあまり乗り気じゃないようだった。


「あれ?なんかノリ悪くないッスか?青峰っち寧ろこーゆーのいつも燃えるじゃないッスか」

「だってよー。勝ってんならいーだろ別に…」

「俺も決して好んで課すわけではない。だがハッキリ言わせてもらえば、今言ったモチベーションの低下が特に目立つのはお前だ。嫌ならばプレイで示せ。スコアラーが得点に執着しないようではチームの士気にかかわる」


征十郎がそう言うと、大ちゃんは小さく息をついた。


「…わったよ。とにかく点とりゃいいんだろ」


そのまま大ちゃんは席を立って学食を後にした。


「…私は、反対だわ」

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