第2章 猫系彼氏、キヤト
「おい、ちょっとここ座れ。」
ソファーに座ってテレビを見ていた彼に急に声を掛けられて、私は首を傾げた。彼の名前はキヤト。付き合って三年目なのに何を考えているかよく分からない人。
「早くしろ。」
何故か自分の膝をぽふぽふと叩いて私を呼ぶキヤト。逆らっても無駄だと分かっている私は取り合えず隣に座ってみた。
「そっちじゃねぇ、こっちだ、バカ。」
腰を捕まれて膝に座らされる。とても恥ずかしいのだが。私重いし。
「き、キヤト...恥ずかしいんだけど...?」
「うるさい。」
えええ。私の意見ガン無視かよ!心の中で突っ込む。彼はまるで私など居ないかの様に平然とテレビを見ている。バラエティーの為、たまに微かに笑うのだが...その時に当たる吐息が...なんというか、その...。
「く、くすぐったい...」
キヤトを少し振り返り囁くと彼はにやっと唇を吊り上げて笑った。
「くすぐったい?感じる、の間違えだろ?」
そう耳元に口付けるとキヤトは私の首筋に何度も唇を落としてきた。くすぐったくて、恥ずかしくて、頭が可笑しくなりそう。
「んっ、や...キヤト、やっ...」
耳朶を甘噛みされると体が跳ねた。キヤトは楽しそうな笑みを浮かべながら私を弄ぶ。腰に腕を回されて体が密着する。