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短編集《 黒子のバスケ 》

第2章 ヤンチャな男の子/氷室&虹村


学校までの道、久々に再会した虹村と話していたら、もう随分聞き慣れた声がした。



「あ!氷室君!」
「あ?…タツヤ?!」
「あっ、シュウ!着いたんだね」
「えっ?!」



氷室辰也君。
陽泉高校イチのモテ男であり、これまたバスケ部の、現在はキャプテンである。
氷室君とは去年転入してきた時に席が隣で、色々教えているうちに仲良くなった。

そんな氷室君は今日も部活らしく、休憩時間なのか練習着だ。



「待って待って、虹村の知り合いってまさか…」
「ああ、タツヤだよ」
「ちゃんとシュウも知り合いなのか…?」
「中学が同じなんだよ」
「そゆこと!」
「ああ、なるほどね」



なんだかおかしなことになってきた。

虹村と再会したはいいものの、氷室君がいるとなると中々話しづらい。
ここは大人しく退散するか…。



「あれ、どこに行くの?」
「え、いや、邪魔者は退散しようかなと」
「何が邪魔者だよ。誰も言ってねえだろ、んなこと。せっかく久々に会ったんだしもっと話そうぜ」
「そうだよ。一緒に話そう。シュウの中学時代の話も聞きたいしね」



なんでだよ!と2人は楽しそうだ。
本当に混じっていいのだろうかと不安だったが、この2人はその辺気にしていないだろうから、大人しくお邪魔することにした。



「さあ、ここが陽泉だよ」
「うおー…洋館じゃねえか」
「綺麗でしょ」
「ああ」



虹村は少しおずおずと中に入っていく。
そんなにビビらなくても、と私達は笑った。



「あ!そうだ!ムッ君もいるよ!」



ムッ君とは、1学年下の紫原敦のことだ。
私が彼を知っているのは、私達が中3の帝光祭で虹村と話している時に出会ってからだ。
それ以降、たまにバスケ部に遊びに行くようになって、他にさつきちゃんや黄瀬君、黒子君と仲良くなった。



「えっ、アイツ秋田まで来たのかよ、意外だな。お前もだけど」
「私は進路の関係でねー」
「ああ、そうか。帝光ということはアツシも同じなのか」
「そうそう!わー、ヤバい、みんなに会いたくなってきた」



今日の部活は1日練らしい。
その後半に帝光バスケ部の元主将がゲストで来るということで、荒木先生には話が通っているらしい。
が、他の生徒には内緒だ。
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