第4章 人助けもほどほどに・・・
ここは尾張の山奥。
ほぼ不時着同然で降り立った小型の宇宙船は、ご想像にお任せしたいほど見るも無残な姿に成り果ててしまった。
『・・・まあ、死んでないからいいであろう。うん、そうだそうだ』
という事で解決したので、誰も宇宙船については触れないように注意してください。
さて、私は何故尾張に来たのでしょうか。
1、事故に遭って、不時着せざるを得ない状況に陥ったから。
2、気まぐれ
3、元住んでいた場所だから
答えは、3!!
ここ尾張は、私が9歳まで育った土地。
江戸で一仕事する前に、来ておきたかった所。
『変わってない、こともないか』
昔は、本当に小さい町だった。
でも、自然豊かで自然豊かで自然豊かで・・・
ねぇ、知ってる?田舎の良さってね、自然が豊か以外にないんだよ。
そんな田舎町が、今では
道路整備もきちんと行われており、一軒家の多かった風景は、いつしか洋館までもが立ち並ぶようになっている。
『天人が来てから、ここも変わったってことか』
寂しいような、複雑な感情が胸の中を渦巻いている。
が、今はこんなことで動じてはいけない。
これから江戸に向かうのだ。
無論、電車で。
なんでも宇宙船使うと思ってんじゃねーぞ
だいたい壊れてんだよ、コイツ。直らねーんだよ。
いや、直る直る。直らないと私帰れない。
じゃなくて!!
とりあえず、町に降りよう。
うん、その前に
『誰かァァァァ!!助けてくださぁぁぁぁいぃぃぃ!!』
木に引っかかったまま、降りれないんですけど。