第1章 (現パロ、サンジ)
夜の8時を過ぎた頃、
りんは電車に乗っていた。
(あぁ、今日も疲れた…)
ため息をつきながら電車の外をみると
灯る街灯が次々と流れていく。
夜空に浮かぶ月には雲がかかって、
そう言えば今朝の予報では夜には雨が降るとか言っていたことを思い出した。
(確か折り畳み傘持ってたハズ)
ごそごそとバックの中を漁ってみたが
見つからない。
(あ、そうだ。この間会社に置くことにしたんだった。)
持ち歩くのはカバンが重くなるので、
必要な時だけ持ち出せばいいとロッカーに入れたのを忘れていた。
(家着くまでに降らないと良いけど)
りんはもう一度、
今度は祈るような気持ちで月を見上げた。