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FFⅨ Hi Betty! (R18)

第4章 イランイランノキ #2




彼のものに手をかけた。熱のこもったそれは私の手の中で規則的に脈を打っている。私はそっと先端を口に含んだ。彼が私に身を任せてくれている。そんな満足感が胸の辺りで仄かに渦巻いていた。根元からゆっくりと舌を這わせてやれば、彼のものとは思えないほど素直に固さが増していった。上目で彼を伺う。視線に気が付いた彼は私の髪を撫でた。私は彼を一層深くくわえ込んで頭を前後させる。彼は小さく吐息を漏らした。人を一番従順にさせるものは快楽なのではないか、この瞬間になると決まってこんな発想が過った。それくらいにこの時の彼は素直に表情を露にするのだ。

「シェリー、おいで。」

私はベッドに座った彼に言われるまま腕の中に抱え込まれる。“いつの間にかに上手になったね”、彼は小さく囁くと腿の裏を掴み、膝を立てるように促した。偶然視界に映ったベッドルームの窓枠の中ではパール粒くらいの月が端の方で佇んでいる。なんとなくだがこの夜が永遠に終わらないような気がした。

「催眠術。」
「ん?」
「何か、魔法使ってる?」
「まさか。色事で魔法に頼るほど落ちぶれてはいないよ。」

瞳を閉じると埋められた指の存在がよく分かった。解すようにゆっくりと動き回るそれは膣壁に埋め込まれたスイッチを一つ一つ刺激していく。そのせいで時折私の四肢は震え、背中が仰け反り、腰が跳ねる。この繰り返しで馬鹿になるのだ。電子回路がイカれたみたいに。

「………クジャ、もっと。」
「安心しなよ、言われなくてもそのつもりだ。」

彼は私の胸に唇を這わせる。何処から送り込まれたのか、艶を含んだ吐息が喉元から堪えきれずに溢れ出た。指先が奥へと触れ、舌先が胸の突起を舐め上げる。それ以降の順番は覚えていない。ただ肌に感じる彼の香りに全身が蕩けてしまいそうだった。

「ねえ、頂戴…」

私を見上げた彼の銀髪が揺れた。私は月明かりによく馴染んだ後ろ髪に吸い込まれるように指先を通した。

「知ってるかい?」

しなやかな上瞼が僅に下がる。

「君が思うほど僕はお人好しじゃないんだ。」

細められた瞼の隙間から覗くブルーの瞳が艶かしく揺らめいた。




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