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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第3章 ◆二人出会






「ニャンコ先生、

この辺りで間違いないか?」



夏目は乱れる息を気にする余裕もなく

ニャンコ先生の言う少女の気配を辿る。




「お前は本当に

あやつの気配が分からんようだな。」



やれやれ、

とニャンコ先生に

呆れ憐れむように見られる夏目は

少しムッとしながらも

気配が残る森の奥へと

目を凝らしていた。



「同じ人間なんだから

当たり前だろう。」


夏目はそう小さく言い訳をするも、

ニャンコ先生は

聞く耳持たずといった所だった。





そして、

鬱蒼と生い茂る木々の間を

手で掻き分け進む森の奥で

背後から

ピンと妖の気配を感じた夏目は

前を走るニャンコ先生に背を向け

一目散に走り出した。



「間に合ってくれ…!」



平地であればおそらく

直ぐにでも到着できるであろう

妖の場所へは

整理されていない木々が

夏目の行く手を隔てている。




もし、あの子が妖に襲われていたら

という恐怖心と

はやく、彼女の元へ行かなければ

という焦りが

思うように木々の葉を捌くことが出来ない。







……あんな女の子たったひとりでだなんて、


無茶だ。





そして、

夏目が

割いた葉の間からひらけた場所に出ると



そこには


名を返されたばかりの

昼間、高校に居た妖と



傷だらけの

望月という少女が


力なく、ぐったりと倒れていた。








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