第3章 もう我慢できない… *裏
ーSide 高尾ー
俺達が付き合ってもう1年が過ぎた。部活ももう引退し、受験に専念してから夏美とはゆっくり会えない日々が続いた。
けど、今日は俺の家で大好きな夏美と2人っきり、一緒に勉強することになり、今あいつが来るまで急いで自分の部屋を片付けしていた。
目に付いて困る物だけでもタンスや本棚に、ばさっとしまっていく。
(アダルト系は特にな!)
掃除機をかけ、お菓子も出して、勉強道具もバッチリセットしてようやく片付けが終わる。
「よっしゃー、これでよしっと。」
片付けが終わって余裕が出き、自分の部屋で待っていると俺は夏美が来るのがかなり待ち遠しくて堪らない。
「早く来ねーかなー、夏美。」
しかも、今日は家に誰も帰ってこないというかなり美味しい状況だし。
父さんは出張、母さんは旅行、妹ちゃんは修学旅行と俺以外あと明日まで家に誰もいない。
そして、ベッドの脇にあるものを手に取り眺めていた。
そう、それは男のエチケットである通称ゴムだ。
夏美とデートに行くたびに持ち歩いていたけど、付き合う前に兄貴の辰也さんから、彼女の過去を聞かされてなかなかキス以上から踏み込めずにいた。
因みにあいつは俺が辰也さんから過去を聞かされていることは知らないはず。
だけど、本当は夏美を抱き、俺自身を彼女の身体に脳に、そして心に刻みつけたい。
もう俺以外の男なんか考えられなくさせるほど愛を注ぎたい。
…キスだけじゃ正直限界でたまらなくて仕方がなかった。
そしてついに今日夏美が家に来てしまう。楽しみは楽しみだけど、正直抑えられる自信がないんだ。
…あいつは俺の事、受け入れてくれんだろうか?