【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第21章 鎖は切れた
「…長くなりますけど、いいですか?」
「…ああ」
坂田先生が小さく頷き話す決心をつける。
まぁ、別に隠す内容でもないしな。
「俺ね、両親に捨てられてるんですよ。…呆気なかったなぁ、気付いたら一人にされてました。…その後は親戚中をたらい回し。みんな俺を腫物扱いですよ…今じゃ身内なんて一人も居やしない。でもその時思ったんですよ、きっと今の自分がダメなんだって。今の自分は周りを不快にさせる。だからそうさせない為に、笑顔で自分偽って、嫌われない為に生きていくしかないんだって。…それが理由ですかね」
「…なるほどな」
「けどそれももう意味ないですね。結局俺は周りを不快にさせる事しか出来ないみたいですし、好きな人にも迷惑かけてただけですし。…嫌われるだけでした」
煙草の煙を吐きながら、彼は黙って話を聞く。
「…俺なんて、最初から居ない方が良かったんですよ」
「そうだな、お前居ない方がいいわ」