【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第20章 契約解除
服を掴む手を払われる。その声は小さく、どんな感情が含まれているのか俺には分からなかった。
「お前、初めて会った時から何も変わってねーな。…結局俺はお前の欲を満たす為だけに利用されてただけか?」
「違う!それは違う!」
つい大きな声で否定する。
俺はそんな気持ちで高杉と居たかったんじゃない。でも本当の気持ちなんて言える訳がない。
高杉は小さく鼻を鳴らした。
「いいじゃねーか、自分が可愛いだけの自己中な人間でも。だが…」
高杉の目が冷たくなる。その目に耐え切れず俺は視線を逸らした。
「そういう奴は嫌いだ」
高杉の言葉が胸に深々と突き刺さる。自然と涙が溢れ目から零れ落ちる。
『嫌い』という言葉がこんなにも辛いなんて思わなかった。