第38章 第37セット
青城の試合はまだ始まらない。
だから今はこっそり烏野の試合を見ている。
今日の烏野の相手は和久谷南。
相手の雰囲気に飲まれにくく、自分たちのペースをしっかり護りつつ、相手の隙を狙って適切に対処してくる。
その証拠に翔陽の速攻に驚いていない。
和久南のキャプテンでエースの中島くんは
空中戦のテクニックのレベルが高く、
県内で最も似ているのだ。
かつての“小さな巨人”に。
スパイクを打ち込む角度を変えるとこで、相手のブロックアウトを誘う。
私もたまにやるやつね。
それでもやっぱり烏野の速攻には慣れないから点は取れる。
和久南は翔陽に対して長身MBで対応しつつ、止めるというよりはコースを絞ってレシーブしやすくする、、、と
翔陽を完全に封じるのは不可能。
そう割り切ってはいても翔陽の好き勝手にはさせない守備。
_____でも、
澤「“次世代小さな巨人”達による空中戦勃発中ですが、ウチの王道エースもお忘れなくね。」
他校からしたらどうしても変人速攻に目が行ってしまう。
そして翔陽をどうしよう、と考える。
けど_____
その時点で既に烏野の策に引っ掛かってるんだよ
翔陽にはMBがマークをして、“その他”スパイカーには残りの二人で対応。
そんなくらいじゃ烏野のエースは止めらんない。
“鉄壁”でも連れてこないとね?