第32章 第31セット
*優side*
スポーツ店に着くと、店内を見渡しながら買う物を訊ねた。
花「テーピングとあと新しいシューズも見たいんだよねー」
相変わらず少し緩い話し方。
逃げないようにと繋がれた手は
大きくて少しゴツゴツしてて、
突き指で関節が太くなってて
いかにもバレーボール選手の手って感じだっだ。
徹や一の手と似ていてとても落ち着いた。
花「テーピングはーっと、、、お、あったあった。」
貴大がいつも使っているテーピングを見つけ手に取る。
あれ?それだけ?
《これはいいの?》
伸縮性の高いテーピングを指さす。
花「、、、なんで?」
あ、隠すつもりですか。
《膝。気付いてないとでも?》
ハードな練習で負担がかかっているのだろう。
少し庇って歩いている。
花「だぁーークソっ!!及川たちでも気づかなかったのになんで気づいたんだよ!」
《3年間ずっと選手を見続けてきたんだよ?》
花「そーでした。」
上手く隠せてると思ったんだけどなぁと呟きながらもう一つテーピングを手にとった。