第10章 第9セット
*優side*
タイムの間、徹は集中を切らさないようにベンチの端で目を瞑り、イメトレをする。
本当なら集合するとこだけど、徹のサーブの凄さをみんなが認めてるから許されている。
タイムアウトが終了し、再び徹が田中くんを狙う。
何とか上がったものの勇太郎にダイレクトで叩かれる。
3本目も田中くん。
正面だったので上がったけど、日向くんがアンダーで田中くんに上げた。
そのスパイクはブロックに阻まれた。
ピーッ
そして、烏野の2度目のタイムアウトがとられる。
みんなにタオルを渡し、様子をチェックする。
徹はさっきと同じで一人集中力を高める。
4本目。
また田中くんへサーブを打つ。
田中くんは胸でサーブを受け止め、ギリギリ落ちそうだったのを日向くんが滑り込んで、飛雄が何とか返した。
チャンスボールを貴大が打ったけど、西谷くんに拾われ、トスを呼んだ田中くんがブロックアウトをとる。
ミスをしても引きずらない、パフォーマンスを落とさない、パワーもある。
紛れもない、エースの資質だね。
でも、うちのエース様も負けないよ!