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薄桜鬼~君ノ記憶~

第2章 舞風


可愛い有希ちゃん。

まさか有希ちゃんも僕を想っていてくれたなんて……本当に嬉しかったんだ。


君を好きになったのはいつ頃かな?

君がこの屯所で暮らし始めた時は、正直面倒臭いって思ってた。

新選組の秘事を知ってしまった君を生かしておくべきではないと考えていたし、そんな君を監視付きとはいえ屯所で匿うと決めた土方さんの事も理解出来なかったよ。

でもそんな状況なのに君はいつも笑顔で、くるくると僕達の為に働いてくれた。

………本当は泣き虫のくせにね。

一人で泣いているところを何度も見かけて、少しずつ君の事が気になっていったんだ。

小さな身体で、いつも遠慮がちで……。

こんな仕打ちをしている僕達を恨んだって当然なのに、何故か自分の事より僕達の事を優先したりして…。

さっき土方さんからの伝言を必死に僕に伝えようとした時も、僕が土方さんに叱られるんじゃないかって不安だったんだよね?

ああいう時は僕の心配じゃなくて、伝言を頼まれた自分が叱られるんじゃないかって考えるものなんだよ………普通はね。

まあ、そういう所が君らしいんだけど。

かと思えば信じる志は絶対に譲らない芯の強さもあって………

本当に面白い子だよね、君って。

多分僕は池田屋で君をあの鬼から庇った時にはもう、君の事が好きだったんだと思う。
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