• テキストサイズ

分からなくても伝われば

第11章 病院


「……え?」

松本さんは間抜けな声を出して、ぽかんとしていた。やめろ、変な顔すんな。

「いや、待ってなにそれ、ナースをメロメロにしたいってか」

「うわっ、自分かっこいいとか思ってんですか。正直言ってキモいです」

松本さんがこんなにナルシストだとは思わなかった。いや、思ってたかもしれないな。内心。

「じゃあなんで呼びたいわけ?」

「セクハラ」

さっきから手をさりげなく掴まれてるんですよ。私が嫌だと言えばなんでもセクハラになる時代なんだぜ。

「……っは!?」

「よし呼びましょう」

「待て待て待て待て!!」

止められた。ひどい。患者の危機だぜ。ナースコールするのは間違ってないんだぞ。

「お、俺が変な人だと思われるだろ。俺はロリコンじゃねえ」

「なら手を離してください」

「……わーったよ」

手を離された。こうして私は解放された。
/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp