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君との距離

第2章 オンユアマーク


高校2年生の春、クラス替えをしてメンバーがガラリと変わった。
割と人見知りな石川ハルはクラス替えをしてから3日たったのにまだ誰とも話すことができていない。

「(流石にそろそろ会話に入っていかないとクラスでいないもの扱いされる…!)」

若干の危険を感じたハルはキョロキョロと周りを見回した。
時すでに遅し。
もう完全にクラスのグループは完成してしまっている。

「(どうしよう…。俺だけぼっちじゃん…。)」

高校2年はたくさんのイベントが待っている。
修学旅行に校外学習、文化祭や体育祭の中心だったり…。

ハルは陸上長距離部に入っている。他の同年代の部員はみんな他クラス。

今はお昼休みでクラスのみんなは教室で自由に昼食をとっている。
ハルの席の近くはたまたま中心的な女子達が占領する陣地にある。

「それやばくねーー!!」
「それなーー!」

うるさいったらありゃしないしぼっち飯だし気分はホントに最悪だ。

?「なんでいっつも石川は1人で飯食ってんの?ー俺が一緒に食ってやるよっ!」

「なっ!?」

余計なお世話だ、と言おうとした時目の前の席に誰かが座ってきた。

「あ、俺の名前は小野航(わたる)!よろしくなっ!ぜんぜん名前呼びでいいからなっ!」

「あ、よろしく…。」

航は眩しいくらいの笑顔でハルに笑いかけた。
その時、ハルの心臓はおかしいくらいに飛び跳ねた。
その笑顔を見るだけで心がフワーっとする様な気持になる。
航は女子からの人気が高いから流石、とハルは少し尊敬した。

「(それにしても、さっきの感覚はなんだろ…)」

高校2年生にもなってまだ初恋をしたことがないハルはこの気持ちには到底気づかない。

この日からハルは初恋のスタートラインに立っていた。

一方航は初めからハルに下心満載で話しかけたつもりだった。
一般的にイケメンだと言われる顔なのだが航にはある秘密がある。
それは…同性愛者なのだ。
別に女の子が可愛いと思わないわけでもない。
でもそれより美人な男の子を見ると近寄りたくなってしまうのだ。

去年のクラスにはあいにく美人と言える男子がいなかったため気分は盛り上がらなかった。
でも今回のクラス替えで石川ハルとゆう色白ですらっとしてて切れ長の目で美人な男子に出会えてしまったのだ。
テンションが上がらないわけが無い。







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