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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第17章 噂 ー後編ー


「お、おまっ……! まだ高校生なのに、神崎とそんなことしてんのかよ!」

「あーもー、まだしてねっスよ!」

「……え? 黄瀬、本気で言っているのか?」

「なんなんスかこれ、もー! してないし、まだするつもりもないんスよ! だから別に、同じ部屋になるならそれはそれで構わないっスけど」

「き、黄瀬……お前、健康な男子にあるまじき事態だぞそれは……!」

「そりゃ、生殺しっスけど……って、一体森山センパイは何を求めてるんスか!」

「とりあえず、俺から神崎へ、一旦聞いておく。……もしそうなったら黄瀬、頼むぞ」

「了解っス!」

肉体的な距離を置くと決めたんだ。
……キスくらいはいいっスよね……?

それに、みわっちを危ない奴から守るためなら、我慢できる。

我慢…………する。

一瞬浴室でのみわっちが頭に浮かんだが、慌てて振り払った。

でもあの不器用なセンパイが、みわっちになんて聞くんだろ……?




「いえ、私、1人部屋で大丈夫ですよ」

案の定翌日、不思議そうなみわっちの声が届いた。

「いや、1人じゃあ危ねえこともあるんじゃないかと思ってだな」

ってセンパイは言ってたけど、そりゃあ『山ほどいる部員の中じゃ、何するか分からんやつもいる』とは言えないっスよね……。

「お優しいんですね、ありがとうございます。でも、わざわざ黄瀬くんと2人の部屋になる方が、他の部員の方々にも良くない気がします。
先輩方のお部屋とも近いので、何かありましたら相談させていただきます!」

「そ、そうか。分かった。何かあったらすぐ言えよ」

……そう言われてしまっては、笠松センパイもそれ以上どうしようもなかった。

みわっちの言うことはもっともなんだけど、心配っスね……。

第一、みわっちに告白したセンパイって一体誰なんスか。
森山センパイに聞いても教えてくんないし……。

大体、バスケ部員ならオレと付き合ってる事、モチロン当たり前に知ってるっスよね!?

……当たり前……知ってるはずなのに……なんか……変じゃないスか?
いや……変じゃないのかもしんないけど……。

なんだろう。何か引っかかる。
何か他の目的がありそうな……。



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