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FFVII いばらの涙 邂逅譚

第7章 Blame


 神羅の高等技術。
記憶を断片化してネットワークに分散させる。
被験者の記憶を犠牲にしながら、技術が確立された。


これは、被験者No.03 シャロンの記憶——。



 色とりどりの花が咲き誇る楽園。
かつて北の大地には、人里離れ静かに暮らす少数民族があった。
花の民。その存在を知るものは数少ない。
私はこの地で純血の花の民、つまり、直系一族の娘として生まれ落ちた。

 花の民は生まれたその時から高い魔力を持ち合わせている。
その能力にあやかって、一部の魔術師の間では、花の民の心臓を結晶化させて持ち歩くと能力が高まるという伝承があった。

 そんな根も葉もない噂のおかげで、花の民の心臓を刈り取る『捕獲者』達によって私の両親は命を奪われた。
これまで様々な理由があって、数多くの種族が途絶えてきた。花の民も絶滅の一途を辿っている。
最後の純血となった私は、姫と呼ばれ丁重に育てられていた。


 私自身は、そんな文化も伝統も馬鹿馬鹿しいと考えていた。
見た目も何も他の人間と変わらない。
この血肉に特別な価値などない。命に優劣などあってはならないはずなのだから。
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