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久世くんには恋愛論を

第10章 恋愛論Ⅹ






 補講終わり、諸星くんが「提案です!」と勢いよく挙手してきた。




「はい、諸星くん。」
「今度の休み、みんなで海行こうぜ!」
「いいね!諸星くん!」


 初めて諸星くんの意見に賛同した。そう言えば、夏休み。こんな高校2年の夏に、勉強ばかりだなんて…勿体ない!


「青い空!青い海!白い砂浜!赤い太陽!女子のビキニ!!これを体験せずに何が夏だ!!」
「そうよ!かき氷!焼きそば!カレーライス!フランクフルト!これを食べずして何が夏よ!」






「…嫌だ。」
「「え」」


 久世の言葉に、諸星くんと私の声がピッタリ合う。


「熱いのは嫌。」
「きょ、京ちゃん…!」
「人ごみは嫌。」
「久世ぇ!」


 諸星くんと私の顔が、外嫌いの二人の発言で涙目になる。やっぱり夏はお預けか、と諦めたその時。






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