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久世くんには恋愛論を

第5章 恋愛論Ⅳ






「宮原さんの望むこと、してあげるよ。」


 先輩の声が私の知っている、「橘先輩」の声に戻って、フワリと笑う。


「・・・っ、」


 違う、違うのに。なんでこうなっちゃったの。



「・・・もういい、とにかく久世の情報を流せ。」




 それだけ言うと先輩は私に背を向けて、目の前からいなくなった。あの優しかった「またね」も言わずに。

















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