• テキストサイズ

久世くんには恋愛論を

第16章 恋愛論ⅩⅢ





「ほう」



 久世がまた私に冷ややかな視線を送り、文学小説の一言みたいなセリフを吐く。




「今なんと」



 その話し言葉は乱暴ではないが、隠れた迫力が出る。



「や、だから、今日から久世が私の王子「二度も言うな」




 …あなたが聞いてきたんじゃないですか。




 昨日、久世の家で確か、「みゃあが欲しい」と告白めいた事を言われた、はず。…確か。


 つまり目の前で私に冷たい視線を浴びせるこの男前は、今日から私の彼氏なわけで。





「まさか今更僕に王子様キャラ設定付け加える気?」



 と、さき程の私の発言に突っ掛かってくる。



「や、別に作者にそういう気はないんじゃないかと…」

「抹殺したいわ作者」

「く、久世さん、怖いです目が本気です」





 ちょっとくらい浮かれてもいいじゃないか。

 嬉しかったんだ、



 まさか久世も同じ気持ちでいてくれたなんて。(え、大丈夫だよね。付き合ってないとか、そんなバカな話はないよね?)




 久世のなにも変わらない(いやむしろ私に対して久世度がパワーアップしている)態度に、いささかの不安を覚える。










/ 211ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp