第5章 迷子
「ただいまぁぁぁ。」
「あ、おかえりなさい!」
パタパタと駆け寄ってくる千鶴ちゃん。
まじもう天使。嫁にしたい。
「巡察お疲れ様です。潤、沖田さん、平助君。」
「ありがとう、千鶴ちゃん。」
「ごめんな、今日も綱道さんの情報得られなかったよ…。」
「ううん、謝らないで。いつもありがとね。私、ご飯の支度してくるね。」
そう言い、勝手場へ向かった千鶴ちゃん。…早く見つけてあげたいけどな…。
「ねぇ、潤ちゃん。千鶴ちゃんは綱道さん見つけることは出来たの?君は知ってるんだよね?」
「…残念ですけど、それは教えられないです。…こうゆうの、やっぱり変えちゃいけないですから…。」
「…。」
「すいません、俺先に戻りますね…。」
先に自室へと戻った俺は、隊服を着たまま畳の上に寝転がる。
「…未来…か。」
つぶやいた後、ふすま越しに近藤さんの声が聞こえた。
「山中君、ちょっといいかね?」
「あ、はい。何ですか?」
急いで正座をし、近藤さんを迎える。
「すまんね、今戻ってきたところかい?」
「あー、はい。そうですけど、どうしたんですか?」
「いや、実はだな。山中君に頼みたいことがあるんだが…。聞いてくれるかい?」
「俺でよければ、何でも言ってください!」
「そうか?では、お願いしよう!」