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日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第21章 自身の秘密


...まただ、また...。
俺は、突然襲った頭痛を我慢し、話に耳を傾ける。


「なるほどな。やけに愛想が良いと思っていたが、狙いは新選組の情報か。」


「なんのことにござりましょう?」


「知り合いか?」


新八さんが問うと左之さんに、


「よく見ろ。君菊さんだ。」


そう言われ、改めて千姫の隣の...君菊さんを見つめる。
化粧を落としてすぐにはわからないけど、確かにあの夜、島原で会った彼女に間違いはなさそうだ。

すると、千姫が話し出した。
鬼の力を利用しようと狙っていた時の権力者。
人々とは関わらず、ただ静かに暮らすことを望んでいた鬼たち。

その結果、鬼の一族は次第に散り散りになって隠れて暮らすようになったこと。

血筋の良い鬼は、そう多くないこと。


「それがあなたや、あの風間だと?」


近藤さんが口をはさむと千姫は「ええ」と応える。


「西国では風間家...。東で最も大きな鬼の家は...雪村家。」


「え!?」


千鶴ちゃんはびっくりして声をあげていた。...まぁ、そりゃそうだよな...。


「そして────最北に力を隠し通してきた一族があったのです...。それが山中家。」


「...え...?」


今度は俺が驚く番だった。
いや...え?最北の一族?それが俺の?
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