第5章 狂った果実～レオorルイ編～

レオは突然、手を止め、

すっ...っとルイから離れた。




「っ……ぇ？」




『なに？

やめてほしかったんでしょ？』




「え…あ、…うん…」




（ちょっと目が泳いでる…

動揺してる…？可愛いな。

皆はルイのこと、

何考えてるか分かり難いとか、

氷の人形とか言うけど

俺にとってはすごく分かりやすいんだよね。

さてと…どうしようかな～）




『書類、どれ？』




「…これ」




ルイは

真っ赤になったまま

自らの、滾るソレを

スラックスの中に無理矢理押し込み

書類を手渡した。




（……つらいよね、

こんな状況でやめられちゃ。

物欲しそうな顔しちゃって。

でも、ルイは恥ずかしがり屋だから

欲しいなんて言えないだろうけど…くすっ）




『ああ、これね。

ちょっと待ってて。

目を通すから』




「…うん」




レオが執務机に向かい

書類を読み始める。




ルイは来客用のソファーに座って

ちょっと前にメイドが用意してくれた

紅茶を飲んだ。




「冷めてる…」




（ルイ、むすっとしてる。

ぷぷっ、かわいそう…そしてかわいい…）