第23章 狂った果実～ルイ編～

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ルイは

幼い頃、孤児院から

ハワード公爵に引き取られた。




「庶民」から「公爵」になるため強いられたのは

血を吐くほど厳しい教育。




父は冷たかった。




ルイを

公爵家の血を絶やさない為の道具

くらいにしか考えていなかったのだろう。




愛を与えられない生活。




愛を知らない生活。




元々内気だったルイからは

いつしか表情が消えていった。





そして、年頃になり、

自慰に目覚めると

孤独だったルイは

瞬く間にその行為に溺れるようになった。




ある夜

ルイは、ついに公爵家を飛び出した。




内気なルイの

初めての、精一杯の反抗。




頭の良いルイが後先考えずに行動するなど、

よっぽどだったのだろう。




行く宛もなく

夜の町を彷徨っていると

怪しい男たちと遭遇し

連れ去られてしまう。




「上玉だな」




「ああ、高く売れそうだ」




「おいお前、良かったなあ。

お前の知らない世界を見られるぜ？

くっくっく…」




ルイは

激しい嫌悪と

恐怖を感じる。




と同時に

なぜか

ずくん…ずくん…と

身体の奥が疼くのを感じた。


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