第23章 狂った果実～ルイ編～

『それでは200万ベルからスタートです！』

「210万」

「300万」

「450万」

「………」

「………」




どんどん値がつり上がっていく。




首輪を鎖に繋がれ

膝を着いている少年は

硝子のように透き通った青い瞳を潤ませ

観衆を上げた。




服を着ることを許されていないその姿は

生まれたての天使の様に清らで。




少年の

助けを請うような眼差しに

観衆は、いけないものを見ているような興奮を覚え

生唾を飲む。



「2000万」

「2300万」

『2300万ベル出ました！

他、どなたかいらっしゃいませんか？』




会場内に沈黙が落ちる。




少年の首輪の鎖を握る男が

小声で少年に告げた。




「ほら。上がらなくなったぞ？

高値で買って貰えるよう

もっと啼けよ」




男は乱暴に

鎖を引いた。