第20章 狂った果実～アランorユーリ編～

ユーリはゆっくり立ち上がると

細い身体をふるふる震わせながら

アランを見詰めて。




「アラン様………

俺………俺っ………！」




ユーリはアランの胸に飛び込んだ。




困惑しながらも

抱き留めるアラン。




『ユーリ…………』




と、ユーリは

アランの首に腕を回し

噛付くように唇を奪った。




『んっ……』




（キスっ///なんで…？

おまえ、俺とルイのあんなトコ視たのに…）




冷たいユーリの唇が

長い時間待っていた事をうかがわせる。




アランがパニックに陥っている間にも

ユーリは

激しく求めるようにキスを深める。




よろけたアランの背中が

トン…と扉に付く。




（っ…こんなキス…っ、クラクラするっ///）




『んはっ、ユー…んっ………はぁ…

待てっ…………っ、

こんなとこ、じゃ………んんっ』





発しようとする言葉は

キスに飲み込まれる。




このままでは駄目だと思ったアランは

なんとか扉を開け、

唇を奪われたまま

部屋に雪崩れこんだ。