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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第9章 鴉の腹を肥やす


その後、影山さんが飴を食べていることに気付いた日向がズルいと抗議した。またやいのやいのと言い合いになりそうだったので、慌てて日向にも飴をあげた。
つもりだったのだが、渡した筈の飴が、何故か日向の手から消えていた。


「え?あれ?」

「あれ?どこいった?俺落としかなぁぁあぁぁぁぁッ!!??」


奇妙な流れで悲鳴を上げた日向の視線の先を向くと、影山さんの口がバリボリと音を立てて咀嚼を繰り返している。そして、彼の手には空いた飴の袋が、2つ。
もしかしなくても戦犯じゃないですか。


「何でお前が食べてんだよ!お前もう食べてたじゃん!てか横取りすんな!出せっ影山ッ!!出せ出せ出せッ!!」


“ムキャーッ!”みたいな効果音が似合う勢いで様子で怒る日向は、影山さんの襟元に掴みかかった。対する影山さんは鬼みたいな顔で飴を粉砕し続けている。
混乱している私は「ダメだよ日向こんな所で出してもらったら」と、“そういう問題じゃない”フォローを入れていた。


食べ終わった後も、影山さんは物凄く不機嫌そうに押し黙ったまま。
プンスカ怒り続ける日向に、新しい飴をあげることで場は収まったのだが、影山さんは相変わらず風穴が開きそうな程こちらに視線を向けている。レーザー光線だったらとっくに死んでるぞ私。

そんな一悶着があったのだが、不意に飛び込んで来たヒソヒソ声に、私と皆の意識が引き寄せられる。




『うわっ、こっちからも来たっ』

『ゲッでかっ』




​───────キュッ、キュッ


畏れる声と、シューズの音と共にやって来た人の“壁”。








「伊達工業だ……!!」


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