第9章 文化祭
私は完全に頭の中が混乱していた。
と、その時。
「ち、ち、ち。沙織ちゃん。
うちらの団結力と器用さ舐めちゃいけないよ?」
「そうそう!!大道具や小道具なんて
もうすぐで全部出来上がっちゃうしね♪」
沙「ええぇ!!!?
だってまだ準備に入って三日目ですよ!?」
翠「沙織ぃ~!!こっち衣装終わったよぉ!!」
沙「えええ!!!?」
驚いて衣装班の方をみると、
確かにクジに書いてあった衣装がすべて
綺麗に作られている。
翠に視線を戻すと、満足げなドヤ顔で
ピースをしてきた。
すごい・・・このクラスは・・・!
「翠達!!こっち音楽とかもう選曲決まって
手空いてるから、衣装手伝おっか?」
沙「え!音楽ももう決まったんですか!?」
翠「おう!さすが早いね~でもアタシらも
もう衣装作り終わっちゃってるから、
美術班に手貸してあげて!!」
「オッケー!!」
沙「…凄すぎます…!」
翠「ははははは!!これが団結ってもんなのかね」
刈「このクラスは今までまとまらなかった。
でも、やっと一つになることが出来たんだ。
一つになってからの初仕事が
この文化祭だから、皆どうしても
完成させたいんだね。
クラスが団結した証として。」
沙「い、いい人達すぎますよぉっ!」
翠「うん!このクラスでアタシ良かった。」
刈「はい。僕もです。」
私は感動して涙を流していた。
翠はそんな私を慰めながら笑っていた。
刈真は、真っ直ぐ前を見ながら
静かに微笑んでいた。