第6章 ★自由な君へ★【青峰大輝】
次の日
あのあとさつきから14時くらいに大輝を向かわせると連絡が入り、今は13時
大輝の事だからピッタリ時間に間に合うとは思わないからなぁ
朔夜『お嬢様、青峰様がご到着なさいました』
部屋のドアの向こうから朔夜の声が聞こえる
え?
はやっ!?
『あぁ、それなら部屋に通してちょうだい』
朔夜『畏まりました』
朔夜の足音が消え、私はテーブルの上にある物を片付けスペースを作る
ガチャ
青峰『よっ、零蘭』
『おはよ、いや今はこんにちはかな、大輝♪』
青峰『おう!ベンキョー見てくれんだろ?ありがとな!』
ニカッと笑い私の隣に腰を下ろす
『さつきに頼まれたら断れないよ。それに、赤点とって大会や合宿に大輝がいないなんてことになったら、私悲しいよ』
青峰『っ///んなことなんねーよ!ほら、やんぞ!』
『うん』
頭を少し乱暴に撫でられた
開始から15分
普段から勉強しない大輝にとっては長く感じたのか早々に疲れ始めていた
『大輝?手、止まってるよ?』
青峰『あ~わっかんねぇんだよ』
『どれどれ?』
覗き込めば半ページしか進んでいなかった
『これ、超基本問題だよ?』
青峰『マジ?』
『マジ。えっと、これはね。この公式を当てはめて』
青峰『なあ、零蘭』
『なぁに?』
問題集の端に公式を書いているので顔は向けずに声だけ答える
青峰『今日、俺がこの教科全部出来たら、何か褒美くれよ』
『ん~、いいよ?』
ん?今なんて言った?
『ごめん、もう一回言ってもらっていい?』
青峰『だーからこの教科終わったら褒美くれって言ったんだよ。いいって言ったから今さら言い直すなよ?』
『はぁ、分かったよ』
ちゃんと聞いてなかった私が悪かったよね
青峰『んじゃ、やる』
何はともあれやる気を出してくれたようで結果オーライ
それにしてもこの問題集、結構な量だけど大丈夫かな?