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[R18]ハイキュー!!(裏短編集)

第8章 風邪【佐久早 聖臣】




『ゲホッゲホッ…

最悪だぁ…
風邪ひいた。』


自分の部屋の天井を見上げて
汗ばんだ額に手を当てる。


『今日、久々に聖臣休みって
言ってたのに〜』


私はスマホを手に取って
聖臣にメッセージを送って
二度寝した。


**


私たちの出会いは、
大学の時の通学電車。

田舎から上京したばかりだった私は、
通勤ラッシュで満員の電車が嫌で
いつも朝早い電車に乗っていた。

聖臣は私と同じ理由で
同じ時間、同じ車両に
乗り合わせていた。

最初は背が高くて暗そうな人だな〜
っていう程度だったけど、

(マスク外したらどんな顔だろう?…
すごくイケメンな気がする……)

なんて考えてたら
好きになってた。


ある日

大学の廊下で
偶然見かけ、同じ大学だったことを知る。

ペコ…っとお辞儀をすると
向こうもペコっとお辞儀してくれた。

その時横に居た友達に
「佐久早選手と知り合いなの!?」
って驚かれたっけ…

私は
『通学電車が一緒になるだけ…
てか、有名な人??』
と言って、友達を驚愕させた。

この日、私の想い人が
バレーボールの凄い選手だということを知る。


(よく見れば…
ポスターに乗ってるじゃん…)

私は駅構内のポスターのひとつに
目を止めて
自分の世間知らずぶりに
絶望していた。

いつもの駅
いつもの電車…
いつもの車両…


電車を待っている間
(そう言えば…
なんであの人の降りる駅…
最寄りじゃないんだろ…)
なんて考えていた。


(2駅くらい前に降りるような……)


電車が来て扉が開く。
乗車したのと同時にいつもの席に目を向けると
私の特等席の隣に佐久早さんが
座っているのがみえる。

(やばい…どうしよ…

席変える?

変えたら変に思われるかな?

へ、平常心…平常心…)


1歩ずつ"いつもの席"に近づいて
ストンと座る。

(…てか、他も空いてるのに
なんでここ座っちゃったんだろ…

変なやつだと思われてないかな。。。

なんか…テンパって
選択間違ったかも……汗)

そんなことを考えて
ガチガチに固まってしまう。

隣の様子を伺う勇気もない私は
緊張で心臓が口から出そうになっていた。

しかし、その力んだ肩にポスッ…と
佐久早さんの頭が乗った。





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