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落ちた一雫

第7章  白い闇





・・・レイ・・レイ・・・。起きて、レイ。








声に気付いて目を開けたレイ。しかし、そこはシンドリア国の宮殿の部屋ではなく、どこまでも広がる草原と夜空が広がっていた。








レイ「・・・ここ、は・・。」

「レイ、ごめんね。私がここまで連れて来ちゃったわ。」



レイの前に立っているのは綺麗な藍色の髪を太ももくらいまで伸ばし、2つのみつあみでまとめ、軽やかな、しかし上品な服装をしている美人さん。頭には紅い雫型の宝石が際立つマリアティアラをつけている。







レイ「・・・お母さん。」


マリア「大きくなったのね、レイ。嬉しいわ。」









レイ「どうして死んじゃったの?帰ったら一緒に寝ようって、約束したのに。」
マリア「ごめんね。お仕事よ。」
レイ「・・・お仕事・・。」
マリア「きちんと役目を果たせなかったの。だから、私は死んでしまったのよ。」
レイ「・・・。」
マリア「・・ごめんね、レイ。私は貴女を守れなかった。本当は会ってはいけなかったのに。」




レイ「・・・もっと、一緒に寝ればよかった。旅なんて行くんじゃなかった。・・もっと、もっとお母さんと一緒にいたかった!!」
マリア「レイ・・・。」
レイ「何で?どうしてお母さんはいなくなっちゃったの?ねぇ!!!!」



ポタポタとレイの目から零れ落ちる涙。







マリア「・・・私は、もうすぐ生まれ変わるわ。だから、これが最後なの。」
レイ「嫌だ。お母さんともっといる!」
マリア「・・・レイ、私は幸せだったわ。」
レイ「・・・?」
マリア「どんな事があっても、貴女は私の子。大事な大事な子よ。それを忘れてはダメ。」
レイ「待って・・・!行かないでお母さん!!」





マリア「泣きたいときに泣きなさい。笑いたいときは心から笑いなさい。大丈夫。貴女は私の子だもの。」










愛してるわ、レイ。








レイ「お母さんーーーーっ!!」








そこでレイの視界は真っ暗になった。












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