第5章 友達
彼、杉山幸太朗くんはとても可愛らしい人だった。
だって、昨日ー…
「あ、え…その付き合うって事になったんだよ…な?」
と、頬を赤く染めながら言った。
私は、笑いを堪えきれず声を詰まらせる漏らしてしまった。
「………ふふっ…」
「わ、笑ってないで答えてくれよ!」
と、相変わらず頬は染めたまま言った。
「そうですね、付き合うって事になったと思いますよ……ふふっ」
やっぱり、笑いは堪えれなかった。
「じゃ、じゃあ、触れても…いいのか?」
頬は染まったままだけど真剣な顔で言われた。
不思議と脳は月島くんを連想した。
これが、月島くんだったら…
って。
「哀川さん?」
そう言われ、私は我に返った。
「あ、はい!付き合ってますし、多分、いいと思います…。」
私…………何考えてるんだろう………。
彼は、手に触れ優しく私の手を包み込んだ。
そして、手を繋いだまま歩いて帰った。
この二人の姿を月島くんが見ているなんて思わなかった。