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テニスの王子様 短編集

第7章 空腹ガール(木手永四郎)


●空腹ガール(木手永四郎)●

俺には彼女がいる。彼女の名前は。
俺と同い年で、目はくりっとしていて、
髪はサラサラのストレートヘアー。
身長も高い方でスラッとしている。
見た目は良く、完璧主義の自分としては
申し分のない容姿の彼女だったが…
だがしかし、彼女には問題があった。

『えいしろ…お腹すいた…死にそう…』

俺の部屋で床に這いつくばっているのは、。
俺の彼女の問題点、それは食べ盛りすぎる事だ。
の食欲はかなりのものだが、
彼女の見た目は少食だと連想させられるくらい痩せている。

『人間、そう簡単に死にやしません。』

『えいしろ…お願い…何か…何か食べ物を…』

はいつもお菓子を持ち歩いていることで有名だ。
今日はそのお菓子を切らしているらしい。

『まだ10時ですよ。』

『でもお腹すいたの…このままじゃ死ぬの…』

はここぞとばかりにその美しい容姿を乱用する。
つぶらな瞳で上目遣いなんてされたら、
全ての男は彼女の言いなりだろう。

『仕方ないですね…今から何か作りますから…』

俺もそんな男の中の一人なのである。

『わーい、私ゴーヤチャンプルがいいなー』

『はいはい。』

こんなブラックホールのような胃を
持ち合わせている彼女と付き合っている理由は…

『えいしろ、ありがとう。』

『…!!』

この笑顔を見れるから。
比較的ポーカーフェイスなは心底嬉しい時
にしかこの極上笑顔を見せてくれない。

『…フン…そんなにしょっちゅう食べてると太りますよ。』

『私、どんなに食べても太らない体質だから。』

はその容姿レベルのため、非常にモテる。
彼女の性格上、お菓子なんて差し出されたら
誰にでもコロッとついていってしまうだろう。
俺はそんな危なっかしい彼女が
放っておけなくて付き合った。
だから彼氏である俺が、変な虫が付かないように
守ってあげますよ。

『私、将来えいしろーと結婚する!』

『はいはい。』

『本気だからね。』

彼女にはとても甘い殺し屋のお話でした。
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