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Dye D? 2

第3章 女


女は必死になって開く扉全てを、
開いたり閉じたりを繰り返していた

クローゼット、小さい棚、本棚まで
動かして何かを調べていた

そんな女の耳元で、俺は囁いた

渋谷「....何をお探しですか?」


俺の囁きに、女は驚いて振り向いた

「いえ!こんなに素敵なアンティーク装飾は見た事なかったもので....」

女は、明らかに焦っていた

俺は、小さく鼻で笑った

渋谷「お褒めいただき光栄です。
しかし、お招きしていないお部屋に
入るのはご遠慮願いたいのですが...」


俺は、冷たい目付きで女を睨む


「そ、そうですね、本当にごめんなさい」


女はそう言うと、焦りながら部屋から出ようとしたので、俺は女の腕を掴んだ

俺に腕を掴まれた事で、女の焦りは増しているようだ

渋谷「何を調べてる…?」

俺は、単刀直入に女に聞いた

女の顔が一瞬引きつったのを、俺は見逃さなかった


「な、何を言ってるんですか?
私は好奇心が旺盛なだけですよぉ」

女は、必死に笑顔を作りながら部屋を出た

女を見送る俺の後ろに、
タイミング良く横山が立っていた

横山「ビンゴか?」

横山は聞いた

俺は横山の顔を見つめ、笑いながら

渋谷「あぁ、ビンゴやな」

横山は静かに頷き、何やら考え始めた

俺は部屋に飾ってある、
子供を抱くマリア様の絵を見て言った

渋谷「なぁ、この絵っていつからあるん?」

俺の問い掛けに、横山は静かに顔を上げて絵を見た

横山「さぁ、いつからなんやろな?」

二人で絵を見つめ続けていた

横山は静かに呟いた

横山「....子供か..」

俺は何も答えずに聞いていたが、
横山に違う事を尋ねてみた

渋谷「あの女をどうするん?
俺たちを探っている女を....」

横山は絵を見つめながら、言った

横山「さぁ、どうしようかな…?」

その顔は、
今から始まる闘いに
ワクワクしている子供のようだった。
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