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Dye D? 2

第26章 顔


各自、自分の部屋に戻り、
みんなはそれぞれの時間を好きなように
過ごしていた。

丸山は、ロビー奥の部屋で
今まで手に入れた小さいマリアの絵の破片を
一づつ並べていた。


最初に見つけたものから、
最後に手に入れたもの、
どれも同じ絵なのに
何故か違和感を感じていたからだ。

何が引っ掛かっているのか分からず
繰り返し繰り返し見ていた。

村上「マル、どなんしたんや?」

一人で絵に向きあっている丸山に
部屋に入って来た村上が話しかけた。

丸山は、村上を見ながら言った。


丸山「絵なんやけどな。なんか気になって...」


丸山の言葉に、村上も一緒に絵を見た。


村上「俺は何にも感じへんねんけどなあ。」


村上はそう言うと笑った。

丸山はある事に気が付いた。

丸山「このマリアさま、少しづつ動いてる...」


丸山は、絵を並べかえて村上に見せた。

しばらくの沈黙。


村上「うわぁ!ほんまや!!!」


村上は食い入るように絵を見つめた。


丸山「なんか、この絵の動きをたどると、
後ろに何かあるような感じがするね」


丸山は、絵の続きを想像しなから伝えた。

村上は頭を傾けながら言った。

村上「なぁ、俺な、
このマリア様の顔をどっかで見た気がするんやけど」

丸山は、もう一度絵の顔に注目した。


丸山「こ、これは....]


丸山は言葉を飲んだ。


村上「マル、どなんしたんや?」


ひどく動揺している丸山を
不思議そうに見ながら言った。

丸山「このマリア様の顔は、
大倉の前の恋人...」

丸山の言葉に村上も、絵の顔に注目する。

村上「ほんまや...」


二人はしばらくの間、
顔を見合わせたまま動かなかった。
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