第19章 動く
私は、ひたすらドアノブを回していた。
どんなに部屋を探しても、
逃げられる場所はこのドアの先にしかないと
知っていたから。
鍵を掛けられているので、
ガチャガチャと嫌な音が響いたが、
かまわずに続けていた。
自分の額に汗が滲む。
「あ、開けって!開いてよぉぉぉぉ!!!!」
その瞬間、鍵が壊れて扉が開いた
思いきり力を入れていたので、
前に転がり出てしまった
「いた~っ」
膝をさすりながら、私はゆっくりと歩き始めた
「先ずは、パソコンを見つけないと」
痛みの残る足を引きずりながら、
私は慎重に道を進んでいた
また、見付かって閉じ込められるなんて
懲り懲りだった
パソコンを見付けて、逃げ出そうと決めたのだ。
生きて逃げきってこその、大スクープだから
私は必死だった。
「...えっ、あれは...」
私は足を止めた。
目の前を、フードの女が横切って行ったのだ
私は慌てて追いかけた。
フードの女が曲がった場所まで行くと 、
一つの部屋の扉が開いていた
この屋敷の扉は、いつも全部閉まっているから
不自然だった。
「私を誘ってる?」
私は自分の胸に沸き起こる不安と闘っていた
しかし自分の好奇心を抑える事が出来なかった
「何が起こっているか、
この目で確認しなきゃ」
私はそう言うと、自分に気合いを入れて
部屋に入った
私は驚いた。
その部屋の扉には、
あの素敵な絵が描かれていたからだ。
「なにこれ…どうなってるの?」
驚きながら見ていると、
突然後ろから口を塞がれ、
私は意識を失ってしまった。