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脱出せよ【黒子のバスケ】

第1章 まさかの


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渡辺咲姫(わたなべさき)

洛山高校一年

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「え…?」


確かに、自分の部屋のベッドで眠っていたはずだ。風呂上がりでパジャマで、髪も乾かさずに寝たのに。

髪はすっかり乾いていて服は学校の制服ときた。そして場所は…


「ここって…音楽室?」


でも、洛山高校のじゃない。窓を見るとシャッターのようなものでふさがれており、開けるのは無理っぽい。

チカチカと怪しげに天井の蛍光灯がついたり消えたりを繰り返している。

音楽室には私だけみたいで誰もいない。ここから出ようとするが鍵がかかっていて出られない。

ふと壁に何かがはってあることに気づいた。


「これって…ソプラノリコーダーの運指表?」


ソプラノであるあたり小学校らしい。

何気に近くにあったグランドピアノのふたを開けてみる。


「わ…なにかなこれ」


ふたをあければ鍵盤ではなく鍵があった。だが随分レトロな作りになっている。


「…とにかくここから出ないとな。」


試しに音楽室の扉に鍵をまわせば扉が開いた。

横開きの扉を恐る恐る開けると、そこには廊下が重々しい雰囲気の中続いていた。


「なんなの…ここ…」


寝ぼけてやってきたと言うには無理がありすぎる。夢ならばこんな鮮明でないはずだ。


「とにかく玄関かな…」


玄関なら一階だ。私は近くにあった階段を降りた。


「オネェチャン」


声がしたので振り返ると


「……え」

「アーソーボー」


ニタァと笑った血まみれの男の子。お腹からは臓器がはみ出していた。

逃げなきゃ。と思うのにぺたんとその場に座り込んでしまった。

これはしょうがない、よね。


「アハハハハハハ!」


少年の笑い声が木霊した。


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