• テキストサイズ

白い翼

第8章 2-第四話


剛さんは比翼院という身寄りのない子供が住む所の出身なのだ。

そこに居る子供は主家の子、つまり匡様と皆、兄弟になる。もちろん比翼院の子供同士も兄弟。

剛さんは比翼院の子の一人、すみれに恋心を抱いていた。兄弟でも他人なのだからそれは自由だ。

でも剛さんは決してその想いを伝えようとはしなかった。

そしてすみれは匡様が姫様の所に行った頃、郷を出て人間の男と暮らし始めた。

そんな剛さんを私はずっと見てきた。私も一応主家の子なので兄弟だ。でも剛さんの事をお兄ちゃんなんて思った事はない。もっと他の、言葉では表せない複雑な気持ち。
/ 57ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp