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ルフの導き【マギ】

第2章 プロローグ



18の冬…
今日は高校の卒業式。

卒業後は都内の大学へ入学する予定で
高校とはまた別にそれなりに楽しい日常が
送れるのだと思う。

そこで好きな人を見つけて、
幸せな毎日を送っていけたらいいな。

彼氏という存在はまだ出来たことはない。
どちらかと言うと私はモテる部類に
入るのだろうけど、いかんせん、私が
その気になれなかっただけで…。

同い年はあまり恋愛対象には入らない。
年上でしっかりしていて誠実な人…
そして欲を言えば頼りになって
守ってくれるような人が良いのだ。


それを友達に言うと
理想高すぎなんて呆れられたけど…
いつか、いつかきっと出会えると信じて
心臓がドキドキするような人に…。



卒業証書をぎゅっと握りしめ、
冷たい風が吹くその行き先を意味もなく見つめる。


ピィ、ピィピィ…



『…光る、鳥…?』



…ピィピィ



無性にその鳥が気になった。
私はその光る綺麗な鳥を追う。

周りを見てないものだから先程から
誰かの肩とぶつかりまくってしまうけど、
それを気に留めずひたすらその鳥を追う。



しばらく追い続けるとその鳥は急に飛行速度を
上げたものだから、見失ってしまった。


そこで、気付く。
いつの間にか喧騒を抜けており、
辺りは木、木、木。


静かな空間にポツリと1人佇む。



『…都内にこんなとこ、あったっけ…?』



急に不安になって心細くなる。
こんな年にもなって迷子なんて…

でもいつまでも突っ立ってる訳にも
いかないし、とりあえず歩いてみよう。
もしかしたら自分の知ってる道まで
出られるかもしれない。



そんな微かな希望を胸に抱き、
歩き進めようと足を踏み出した。



「動くな」



冷たい声で発せられた声により、
ピタリと体の動きが停止する。
その声は自分の後ろから発せられたもので
ゆっくりと後ろを振り返る。


するとそこには、
緑の帽子みたいなものを被って
乳白色の長い服を身にまとった人が。
その手には殺傷能力がありそうな物が
私に向けられており、目つきも鋭い。

いきなり過ぎて動揺してしまう…
私はそこで初めて殺気というものを感じ、
徐々に体が震えていくのが分かった。


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