• テキストサイズ

Dye D? <番外編 丸山>

第7章 本能


床の魔方陣を見て、全てを悟った。

悪魔を呼び出そうとする、愚かな人間....

これまでに何度も見てきた。


「お前は誰なんだ!」


僕は、静かに答えた...


丸山「...お前が必要としている闇の者..」

男の顔色が変わった。

「じゃ、じゃあ、俺の願いを叶えてくれ!
このガキをやるから!」


丸山「....願い?」

僕が、静かに聞くと男は膝をついた。

「俺に力をくれ、悪魔にしてくれ!」

狂ってる、コイツは狂ってる。

僕はそう思った。

静かに横山くんを見ると、彼は震え続けていた。

僕は彼の側に近づき、彼の頭を優しく撫でた。

安心していいよ、という気持ちを込めて。


男は膝をついたまま、僕に哀願してきた。

「頼むよ、その為にガキを何人も捧げたやろ?」


僕は、ユラッと立ち上がると...

丸山「そんなに、悪魔になりたいのか?」


「おっ、おう!頼むよ!」

僕の目が妖しく光り牙を見せた。

「....なら、試してやろう…………!」

僕は躊躇なく、男の首に深く牙を突き立てた。

彼は大声をあげた。

しばらく彼の血を吸うと、
皮膚を食いちぎらんばかりに、
激しく男から牙を抜いた。

丸山「....その俺らより腐ったお前に、
生きる資格があるとは思えんけどな...」

男は、血に走る痛みに苦しんでいた。

そして、疲れはてたように息をしなくなった。

丸山「俺らにも、誇りはあるんやで...」


冷たくなっていく男に、僕は吐いた。

そして、
横山くんの傍に優しく行くと、彼を抱きしめた。

彼は、震え続けていた。

その彼の耳元に囁いた。


丸山「....さぁ、みんなの所に帰ろうね」


彼は、やっと僕と分かったようで小さく頷いた。


僕は彼を抱えながら、涙していた。

一人、泣いた...

これからの未来を思い、独り泣いた...
/ 20ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp