第1章 コート上の王様と本の虫の彼女
「コート上の王様」
そう彼は呼ばれていた
北川第一中学バレーボール部の影山飛雄
実力はあるけど、性格は独裁者で
周りとは上手く連携がとれていないらしい
そんな事で有名だけど
正直、彼の事は別になんとも思ってなかった。
ただ、運動部の有名人程度の存在だなーって感じで
部活にも所属していない図書委員の私には関係ないし
クラス一緒な訳じゃないしね。
ある日、移動教室の時にその王様こと影山を見た。
スラッとした高身長と筋肉質な体つき
黒髪に少し目つきの悪い感じがいかにもする。
「出た、コート上の王様ってアイツだよ」
「おお、こわっ、こっち見た」
周りの男子がそんなヒソヒソ声が聞こえている。
(まったく、そんな事言わなくても・・)
「ひえ~、相変わらず注目の的だね、#文花#!」
そう声を掛けてきたのは私の友達・葉月だった。
#文花#は私の事で影山君の隣のクラスで図書委員を務めてます。